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Office 365 のメールサービスのみを独自ドメインで使う

Office 365 をメールサービス (Exchange Online) のみ使用し、ホームページは、さくらインターネットのレンタルサーバーを使用する方法をまとめています。

ドメイン、レンタルサーバー、ホームページの契約と設定

まずは、次のいずれかの方法を参考にして、ドメインを用意しておきます。余計なトラブルを防止するため、独自ドメインからホームページが表示できるところまで確認しておきます。これで、基本的なゾーン設定ができていることになります。

さくらインターネット – ドメインを契約する
さくらインターネット – ドメインを割り当てる
さくらインターネット – お名前.com からドメインを移管する

筆者の環境では、お名前.com からドメインをさくらインターネットに移管し、既存のレンタルサーバーのホームページにマルチドメインとして割り当てました。そして、メールサービスのみ Offfice 365 Exchange Online を使用するように設定します。

Office 365 はメール、カレンダー、連絡先、ウェブサイト、Lync など豊富なサービスが用意されていますが、今回必要なのはメールサービスのみです。メールサービスである Exchange Online のみですと、月 400 円で利用することができます。

Exchange Online の契約

1. 次のサイトにアクセスして、Exchange Online の契約を行います。
http://www.microsoft.com/ja-jp/office365/buy-exchange-online.aspx#fbid=Ioo-CNBAvcu

私は、プラン 1 の契約を行いました。すぐに利用可能となります。

2. 契約時に指定したユーザー ID とパスワードでサインインします。ユーザー ID は、<UserID>@<指定したドメイン>.onmicrosoft.com の形式です。

3. 左側のメニューで、管理の [ドメイン] をクリックします。

4. [ドメインの追加] をクリックします。

5. 既に所有しているドメイン名を入力します。(例 : contoso.com)

メール設定 (さくらインターネット MX レコード)

1. さくらインターネットの会員メニューを開きます。

2. 設定対象のドメインのゾーン設定を開きます。

3. Office 365 管理画面 - ドメイン - 設定対象のドメインの DNS 設定を参考にレコードを追加します。

4. 規定の MX レコードを削除します。

5. [送信] をクリックします。

※最終的なゾーン設定は次の通りです。

エントリ名 タイプ データ
@ NS ns1.dns.ne.jp.
NS ns2.dns.ne.jp.
A xxx.xxx.xxx.xxx
TXT "MS=ms99999999" (TTL:3600)
TXT "v=spf1 include:outlook.com ~all" (TTL:3600)
MX 0 xxxxxx-com.mail.eo.outlook.com.
www CNAME @
mail CNAME @
ftp CNAME @
autodiscover CNAME autodiscover.outlook.com.

※ MX レコードと CNAME (autodiscover) に設定する「~.outlook.com」ですが、最後に「.」を付けなければならないようです。

Outlook の設定

Outlook でアカウントを追加する際は、次の 3 つの選択肢の中から 1 番目の電子メールアカウントを選択し、名前、電子メールアドレス、パスワードを設定するだけです。

  • 電子メール
  • テキスト メッセージング (SMS)
  • 自分で電子メールやその他のサービスを使うための設定をする (手動設定)

Office 365 は、Exchange Server によるメール送受信環境です。OLSB のような Hotmail ではありませんので注意しましょう。

Android の設定

メールアカウントの設定で Exchange を選択して設定を進めます。その際に設定する情報は次の通りです。

  • ユーザー名 : xxxxx@yyyyy.zzz
  • パスワード : 設定したパスワード
  • サーバー : m.outlook.com

メールとアドレス帳はすぐに同期されますが、カレンダーは同期されない場合があります。これは Android のスケジュールアプリの設定でどのアカウントで同期するかの設定が Office 365 のアカウントになっていないためです。設定を変更すれば、すぐに同期することができます。

サポート

さすがに電話サポートは無いと思われますが、メールでの問い合わせは可能です。[管理者の概要] ページの[サービスリクエストを作成する] から問い合わせを行うことができます。

まとめ

ドメイン、レンタルサーバー、ホームページは、さくらインターネットで管理し、メールサービスのみ Office 365 に変更できました。Lync を使う場合は SRV レコードをゾーンに追加する必要がありますが、さくらインターネットでは対応していません。その他のレジストラも確認しましたが、対応しているレジストラは少ないようです。

Exchange Online の設定の場合、ドメインの状態が「確認済み」となれば正常に完了した状態となります。本来であれば「アクティブ」を期待しますが、これは DNS レコードを含めたすべてのサービス設定が完了した場合ではないかと推測しています。Exchange Online の設定で部分的にデリゲートできていれば問題ありません。

Exchange Server だけあって、完全なプッシュ配信が実現されています。Hotmail を Outlook とスマートフォン (Active Sync 対応) で使っていた場合、Outlook から Hotmail へのメール確認は一定時間ごとで、スマートフォンはプッシュ配信でしたので、スマートフォンの方が先にメール受信でき、Outlook は遅い状態でした。しかし、Office 365 はすべてプッシュ配信なので、ほぼ同時に素早くメール受信ができるようになりました。

Office 365 ではメールアカウントは 1 アカウントごとに有料ですが、グループメールである配布リスト (Distribution List) はいくつでも作ることができます。info@yyyyy.zzz のような会社を代表する配布リストを作り、代表メールと個人メールを使い分けることができます。同様に用途別に配布リストを作り、目的に合わせてメールを受信できます。配布リストはデフォルトでは内部向け専用に作成されます。これにより、社内専用の一斉送信が外部に漏れることはありません。必要に応じて外部からも受信できるように設定できます。

これも Exchange Server の特徴ですが、仕訳ルールなどの設定も全てのパソコンで引き継がれます。これにより、1 カ所で設定するだけですみます。

OWA に相当するブラウザメールへのアクセスは、https://xxxxxx.outlook.com/owa/yyyyy.zzz の形式です。契約ごとの正式なアクセス先は Outlook を起動し、[ファイル] - [情報] のアカウント設定の箇所を参照します。この際、[ファイル] メニューを開く際は、Office 365 のメールが選択されていることを確認してください。Outlook で Hotmail などのメールアカウントを設定し、Office 365 以外のメールが選択されている状態で [ファイル] メニューを開くと、他のメールの情報が表示されます。

非常に快適なメール環境が実現できているのですが、解決できない問題があります。頻繁に「同期ログ」という未読メールが配信されます。内容は同期に失敗したというものです。原因はパブリックフォルダにアクセスできない、削除できないメールがあるなどです。当分の間は仕訳ルールで強制削除するようにしています。

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