無線の基礎についてまとめました。
無線の種類
次のような無線の種類があります。
「11b (11Mbps)」
11b のスピードは 11Mbps と遅く、旧式の規格ですが、現在でもゲーム機はこの規格にしか対応していないものもありますので、それほどスピードが重要視されていない場合は、11b を使用します。屋内、屋外ともに使うことができます。
「11g (54Mbps)」
多くのスマートフォンやタブレットが対応しており、スピードも速いのでよく使われます。屋内、屋外ともに使うことができます。
「11a (54Mbps)」
主に屋内で使われることを前提にした規格です。パソコンなどは対応していますが、モバイル機器は未対応のものが多いようです。11a には W52, W53, W56 の 3 種類のタイプがあります。親機と子機で同じタイプを設定する必要があります。W52, W53 は屋内利用のみですが、W56 は屋外利用ができます。尚、古いタイプとして J52 がありますが、現在市販されている機器には対応していません。よって、古い無線子機を接続する場合にはこの点に注意する必要があります。
無線の種類の違い
11b と 11g は 2.4GHz 帯で動作します。11a は 5 GHz 帯で動作します。11b と 11g の違いはスピードだけです。
2.4GHz 帯は、電子レンジ、Bluetooth、コードレス電話と周波数帯が同じなので、混線により無線接続が切れる可能性があります。そのため、11a に対応している機器であれば、できる限り 11a で通信した方がよいでしょう。
尚、コードレス電話は、1.9GHz 帯を使用する DECT 方式と呼ばれる規格に対応した電話が出ています。気になる方はこの規格に対応したコードレス電話を選ぶといいでしょう。
どのように設定するか?
無線を使うためには、無線親機を設置する必要がありますが、11a と 11b/11g の両方に対応したものと、11b/11g にしか対応していないものがあります。後者の方が価格的には安くなります。両規格に対応していれば、両方の電波で無線通信ができるように設定しておけばいいでしょう。11a は主にパソコンを接続し、11b/11g はモバイル用にするのがよいです。もちろん、11b/11g に 1 本化してもよいのですが、混戦などで無線が切れた場合、問題かの切り分けができますので、両方の規格で設定しておくのがお勧めです。
11n とは
11b/g/a に加え、11n という規格もあります。しかし、この規格はこれまで説明した規格とは違い単独で使われることはありません。そのため、無線親機の設定にも11b/g と 11a の設定メニューは存在しますが、同様の設定内容で 11n の設定はありません。これは 11n が 11g と 11a と組み合わて使われるためです。簡単に説明すると、11g と 11a を高速化するためと言ってもよいでしょう。
そのため、11n で高速化された 11a (11g) を 11na (11ng) と言った方がよいでしょう。実際最近の無線親機の製品説明は、このような使われ方をしています。
11g または 11a に 11n と組み合わせると、理論上は 600Mbps まで高速化されるようです。但し、現状では 300Mbps までに対応した規格のみで、一部 450Mbps に対応した機器が出始めています。
今後は
2012 年頃から 11ac という規格が出始める可能性があります。この規格の無線通信では 3Gbps を超えるスピードが出るようです。そして、次の 11ad の規格では 7Gbps のスピードが出るようです。これまで 11na や 11ng を使っても有線 LAN よりスピードが遅いのが問題でしたが、11ac や 11ad を使うと、有線 LAN よりも速くなります。このため、11ac が普及すれば、有線 LAN の置き換えが進むかもしれません。