概要
Eclips + Android SDK を使用して、Android アプリケーションを開発する基本をまとめています。定番の Hello, World! を表示します。
プロジェクトの作成
次の手順で、Android 用のプロジェクトを作成します。
- こちらを参照して、開発環境を準備します。
- C:\eclipse\eclipse.exe を実行します。
- [File] - [New] - [Project] をクリックします。
- [Android] - [Android Project] を選択して、[Next] をクリックします。
- Project Name にプロジェクト名 (例: test1) を入力して、[Next] をクリックします。
- Build Target の Android バージョンを選択して、[Next] をクリックします。
- Package Name にパッケージ名 (例: com.test.test1) を指定して、[Next] をクリックします
画面のデザイン
次の手順で、画面のデザインを行います。
- 左ペインから [test1] - [res] - [layout] - [main.xml] を開きます。
- 右側に Android の画面が表示されます。また、コントロールとなる Form Widgets も表示されています。
- Form Widgets からボタンを Android の画面にドラッグ & ドロップします。
コードディング
次の手順で、コードの記述を行います。
- ボタンを右クリック - [Other Properties] - [Inherited from View] - [OnClick] をクリックします。
- New OnClick Value にイベント名 (例: Button_Click) を入力します。
- main.xml 画面の下の [main.xml] タブをクリックします。すると、コード画面に変ります。このコードを参照すると、ボタンコントロールが作成されていることが分かります。
- 左ペインから [test1] - [src] - [com.test.test1] - [Test1Activity.java] をクリックします。
- Test1Activity クラスにイベントを記述していきます。現在は onCreate イベントのみ記述されています。
- import を記述する部分に以下の追加を行います。また、onCreate イベントの下に以下のイベントを追加します。このイベントは、ボタンをクリックした際に呼び出されるイベントです。
package com.test.test01; import android.app.Activity; import android.app.AlertDialog; import android.os.Bundle; import android.view.View; import android.view.View.OnClickListener; import android.widget.Button; public class Test01Activity extends Activity implements OnClickListener { private Button b1; /** Called when the activity is first created. */ @Override public void onCreate(Bundle savedInstanceState) { super.onCreate(savedInstanceState); setContentView(R.layout.main); b1 = (Button)findViewById(R.id.button1); b1.setOnClickListener(this); } public void onClick(View view) { AlertDialog.Builder ad = new AlertDialog.Builder(this); ad.setTitle("TEST01"); ad.setMessage("Hello, World!"); ad.setPositiveButton("OK", null); ad.show(); } }
実行
次の手順で、Android 用のプロジェクトを実行します。同時にコンパイルも行われます。
- ツールバー上の緑のボタン (run test1) をクリックします。
- Android エミュレータが起動します。完全に起動するまで時間がかかります。
- 起動したら、左側のボタンを右にスライドさせてロックを解除します。
結果
解説
初めて Eclipse で Android の開発をするには、慣れが必要ですが、比較的簡単にアプリの作成ができます。
Eclipse で作成したプロジェクトの構造は次のようになっています。
- src : ソースコードが格納されています。開発者がコードを書きます。
- gen : リソースクラスが格納されています。通常、自動的に作成されますので、開発者は編集しません。
- assets : リソースとして扱われないその他のファイルを格納します。
- res : アイコン、画像、文字列などのリソースを格納します。また、画面のレイアウト自体もリソースとして扱われ、このディレクトリの layout ディレクトリに存在する main.xml で定義されています。このファイルを開くと、自動的に GUI の画面設計ツールが開きます。
main.xml の <LinearLayout> タグの説明します。
- このタグによって、Activity (画面) のレイアウトを決定します。ボタンやラベルなどのウィジェットはレイアウトの中に配置されますので、このタグ内に記述します。main.xml の GUI 画面設計ツールでウィジェットを配置すると、自動的にこのタグ内に配置されます。
- android:layout_width は Activity の横サイズを指定するものです。通常は、fill_parent を指定して、実機の画面の横に合わせます。
- android:layout_height は Activity の縦サイズを指定するものです。通常は、fill_parent を指定して、実機の画面の縦に合わせます。
- android:orientation は、ウィジェットの配置方法を決定するものです。horizontal に設定すると、ウィジェットが縦方向に自動的に並びます。
main.xml のウィジェットの定義について説明します。
- android:id は、ウィジェットに付けられた一意の ID です。@ はリソースへの参照を表します。+ はクラスの自動生成を表します。
- android:onClick は、クリック時に呼び出されるイベントを指定しています。